四季の窓辺4


2023年8月

クロイツの窓辺

高原では秋の気配が漂い始めました。
窓辺につるしたリュースターに日が差し
部屋のあちこちに虹を作るようになると
もう夏は終わりです。
 *
久しぶりに八ヶ岳の文化園に行くと
木漏れ日の中で
そこだけスポットライトを当てたみたいに
レンゲショウマが咲いていました。
あまりの可愛さにしばし見とれ
上から下から横からと
眺め尽くしました。
 *
湿地園ではツリフネソウが花盛り、
キンミズヒキやオミナエシ、アサマフウロにユウガギク
夏の終わりと秋のはじめが交じり合い、響きあっています。
足元には、薄桃の小さな花
アキノウナギツカミ
なんで、こんな名前が付いたのかしら?


2023年6月

クロイツの窓辺

3年前の6月
今は我が家となった山荘に出会った。
敷地の入口には大きな青楓が揺れて
一目で心を奪われた。
家との出会いも
恋愛のようなものだ。
  *
訪ねてきた人が
口を揃えて
ずっと前から住んでいたみたいね
という。
  *
私を育み、人生の基盤を作った
生まれ故郷の伊勢、温暖で静謐で
伊勢神宮のありがたさにも無自覚だった。
そして
人生で最も長く、
実りの時を過ごした愛知を経て
今、ここにいることの不思議。


2023年5月

クロイツの窓辺

雨上がりの朝
木々を揺らす風の音
カッコウの声が森に響く。
泣きたくなるような柔らかな緑
二度とないこの瞬間に、アリガトウ
  *
八ケ岳の山懐で迎える3度目の初夏
自然の中に入り込んでいるのは私の方
できるだけ植生を壊さぬよう
邪魔せぬよう
静かに住みたい。
  *
敷地内に自生する植物たちに
まだ十分、挨拶ができていない。
目が慣れていくには時間がかかる。
初めての年に見つけたのは
ヒゲネワチガイソウだった。
エイレンソウ、マイヅルソウ
少しずつ知合いが増えていき
ここが、私の居場所になっていく。


2023年4月

クロイツの窓辺

八ヶ岳自然文化園で、
定点観察を始めて一年、
このたび、ハルニレ(エルム)の
開花をしかと見届けました。
ただし樹高が高く
観察するには遠すぎる。
泣けます。
双眼鏡は必携です。
  *
この木が今、まさに満開だと
誰が分かるでしょうか。
分かる人にしか、分からない。
その優越感(単なる自己満足)に浸りつつ
花の付いた枝が落ちていないかと
うろうろ探す私たち・・・
ああ、一枝ほしい。
  *
地味な花ですが、
花盛りゆえに
おや、ここにもエルムが、と別のエルムも発見!
何ごとも、与えらればかりではなく
自分で掴みとることに喜びがあります。


2023年3月

クロイツの窓辺

春の遅い八ヶ岳山麓でも
今年は早くも枯葉の間から
フキノトウが顔を出しました。
天ぷらにフキ味噌
早春の楽しみが増すこの頃です。
  *
鳥のさえずりに交じって
キツツキのドラミングも聞こえます。
なんとのどかな春の響き
  *
我が家の外壁はキツツキたちの
好みに合っていたようで
コゲラ、アカゲラ、アオゲラと
寄ってきてはドラミング・・・
それゆえ見事なまでに穴だらけ。
思い切って昨夏、
外壁をこげ茶から青灰色に塗り直したところ
ぱったり来なくなりました。大成功。
といっても、目の前のカラマツにはやってきます。
いったい、アカゲラたちの目に
この家はどんなふうに映っているのでしょうか。


2023年2月

クロイツの窓辺

晴れた午後
思い立って御射鹿池までひとっぱしり
雪が残るこの季節に
ここを訪れたのは初めてです。
 *
湯みち街道に入ると
「今日は通行可」の看板が立っている。
ってことは、
不可の日もあるってことね。
ラッキーでした。
連続するヘアピンカーブを上って
標高1530m 
雪かきされた道は苦もなく走れますが
周辺は雪が積もっています。
そして、さすが人気のスポット
県外からの車が並んでます。
 *
あいにくさざ波が立ち
鏡のような、とはいきませんが
この静謐さは冬ならでは。


2023年1月

クロイツの窓辺

八ケ岳山麓で迎える三度目の冬
 *
振り返れば最初の冬は、
引越しの真っ最中に雪が降ることもなく
穏やかで、恵まれていた。
なんでもそうだけれど
あとにならないと分からないことが
たくさんある。
 **
生まれ故郷の伊勢や
大人になってからのほとんどを
過ごした名古屋と比べ
格段に厳しい山の気候だけれど
寒ければ、まず着こむ。
なんというシンプルさ。
***
都会暮らしの時とは大違いの
衣類のバリエーションの少なさが
ちょっと笑えるけど。

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