ホテルハイジ 蓼科ふたたび

晩秋のホテルハイジ
広い庭の隅にある可愛いキャビン
ホテルハイジのディナー、オードブル

自家製スモークサーモンのムース、信濃雪鱒、大王イワナ、ウイキョウのババロア

不思議なことがあるものです。

 

秋のクロイツニュースに、奥蓼科の御射鹿池に行ったと書いたことから、古い友人夫妻からなかば強引に(笑)誘われ、それにまんまと乗っかって再び来てしまいました。しかも10年前、彼女と一緒に泊まったホテルハイジに。

 

10年ぶりの蓼科が、なぜ1か月に2回も!?

 

ホテルハイジは旧皇族、伯爵家の東伏見家の別荘を当主が1975年にホテルとして開放。当時日本はバブルがはじける前、一億総中流意識にみんなが浮かれてた?そう、夢を見ていた時代だったかもしれませんが、それでもホテルハイジの格調の高さは別格でした。皇族方をはじめとして、海外のVIPも宿泊されるようで…。小さい子たちを抱えた身では、ティータイムを楽しむのが関の山。庭に点在する可愛い小屋は子どもたちの格好の遊び場でした。今も変わらずきれいに手入れをされていました。懐かしい~

 

ハイジにはシングルはないので、一番小さなツインを選びましたが、その部屋はチロル家具で統一されている可愛い部屋です。10年前に泊った時は出窓の下にベンチのついた奥行きのある部屋でしたが、今回、一人で泊まるにはこじんまりとしてちょうどいい。木立に囲まれた露天風呂で一息ついてフレンチを堪能した後はおしゃべりに花が咲き、瞬く間に夜は更けていきました。


 

翌朝早く目が覚めたので、15分ほど下ったところにある蓼科湖まで朝の散歩に出かけました。雲海の向こうに南アルプスの峰々がのぞき、まばゆい日の光が木々の彩りをさらに鮮やかに照らします。気温は1度、吐く息も凍りそう。湖面には朝もやが立ち込めています。この幻想的な風景が見られたのも早朝だからこそでしょう。逆光の中に紅葉が浮かび上がります。


 

蓼科湖がこんなに美しいのだから、あの御射鹿池もさぞやと期待に胸は膨らみつつ、車を走らせます。(運転は私ではありませんが)

ところが、観光バスが何台もいて、人の多さにびっくり。肝心の池は先週末の台風のせいか、静謐さのかけらもありません。時を経ず2度来たからこそわかる、その違い。すべてに通じる「時」があるということを。


御射鹿池から、カラマツ林を抜けて横谷観音へ。10年前、友人とこの場所に来た時、大滝神社という古びた神社にお参りをしました。黒曜石の祠に続く急勾配の参道は階段もなく何度も滑りそうになりましたが、けれどその参道の両側に広がる林から、風が吹くたびにカラマツの葉が、サラサラと音をたてて、黄金の雨のように降り注ぐのです。友人と私はその音に聴き入りました。あの瞬間、あの世とこの世は一つになり、夢を見ているようでした。

 

ところが、ここでも期待は裏切られます。今ではすっかり整備され鳥居も立派になり、参道にはちゃんと階段もできています。随分、雰囲気変っちゃったね。

 

階段を数段上がってすぐに何やら異臭がすることに気付きました。これって何? どうやら枕木の防腐剤の臭いのようです。う~~たまらん、仕方がないとは言え、すごすごと階段を下りる私たちでした。

 

さぁて、「時」を学んだ私の蓼科行き

二度あることは三度ある? かも。


横谷観音の展望台から臨む風景