ヘザーの花を訪ねて

ノースヨーク・ムーアズ ドライブ旅行

ヘザーに会いたい、ヘザーの花の咲く季節に、と思い始めたのは、ずいぶん前からです。もちろん、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』の影響は否定できませんが、ノラ・ウィークスの「心を癒す療法」の中に記されている、バッチ博士と彼の女性患者とのやり取りが、それに拍車をかけました。

 

ある日、バッチ博士は、一人でいるのを嫌い、他の人々に囲まれているときだけ幸せに感じるという女性性患者に尋ねます。「あなたはどのような木なり、野花なりが、一番好きですか?」即座に返って来た答えは、「ヘザーの花が咲き乱れているのを見ると息がとまりそうになるの。我を忘れて、ただ見つめてしまうの」日本ではヘザーの群生を見ることはできません。息がとまりそうになる風景って!?そんなことを聞いたら、誰だってヘザーが咲き乱れるのを見たくなるではありませんか。

 

娘のイギリスの友人たちは、異口同音に「ヘザーを見るならノースヨーク・ムーアズに行くべきよ!」とのことで、私たちは、夏の終り、ノースヨーク・ムーアズ国立公園へ、ヘザーに会いに行くことを決めました。https://www.northyorkmoors.org.uk/ ←ノースヨーク・ムーアズの情報はここで


 ノースヨーク・ムーアズは、ヨークの北東に広がる国立公園で、ノースヨークシャーの中央部、デイル(浅い谷)と、ゆるやかな台地に広がるムーア(荒地)が独特の景観を醸し出します。そんな場所を訪ねるには車が不可欠。そこで、レンタカーを借りようとなるのですが、娘はイギリスで免許を取ったものの、完全ペーパードライバー。ということは...この私? この私が、この年になって、外国で初めてレンタカーを運転するのですか? と言いながら、何とかなるでしょ、で、何とかなり、すぐに調子に乗ります。うっひゃー楽しい!!起伏に富む石垣が続く道、鳥や羊が平気で飛び出してきます。


ところどころで出くわす「ランドアバウト」もなんのその。A64をひたすら北へ、Old MaltonからA169に入りPickeringを過ぎる頃には、そこはもうノースヨークムーアズ。右に左に広がる海原のような赤紫に歓声を上げながら、車が来ないのをいいことに、トロトロと走ります。あちこちにSheep on Roadの標識があり、羊が車道を横切るばかりか、くつろいで寝転んだりもしています。イギリスの田舎道は、みな信じられないほど飛ばしますから、羊の事故率は結構高いようです。道々、目を背けるようなことも...。気をつけて行こうっと。


ゴースランド(Goathland)

ゴースランドという地名を、私は今回、初めて知ったのですが、このゴースランドは、イギリスのTVドラマ「ハートビート」では「エイディンスフィールド村」としてよく知られており、またゴースランド駅は、な、なんと、映画『ハリーポッターと賢者の石』の中で、ホグワーツ特急の終着駅「ホグズミード駅」のロケ地になっているのですから、ポッタリアンならずとも、ちょっと興奮してしまいました。映画に登場したブリッジの上に立っていると、図らずも蒸気機関車到着!!ホームにいた人々が一斉にカメラやスマホを構えたのは、何ともほほえましい。

ゴースランド駅、別名ホグズミード駅
ゴースランド駅に到着した蒸気機関車

ゴースランドの宿は 、口コミ高評価9.9を獲得の

Fiarhaven Country Guest house オーナーのピートとサラは、このB&Bを購入してまだ18ヵ月だというのに、素晴らしい成果を上げているようです。親切なピートと、料理が上手でムードメーカーのサラ、この日はカナダから、オランダから、そして日本からと国際色豊かな泊まり客。私の部屋はキングサイズのベッドが入った黄色いアイリスの部屋。窓の向こうには草を食む羊。地図を広げヘザーの見どころを教えてもらいます。明日はRosedale Abbeyから、Hutton-le-Hole そしてインフォメーションセンターのあるDanbyまでぐるっと回る予定。